西澤 晋 の 映画日記

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2012年 01月 14日

グラン・プリ(1966) ☆☆

原題:GRAND PRIXグラン・プリ(1966) ☆☆_f0009381_14514736.jpg

監督:ジョン・フランケンハイマー
脚本:ロバート・アラン・アーサー
    ウィリアム・ハンリー
撮影:ライオネル・リンドン
音楽:モーリス・ジャール

出演:
ジェームズ・ガーナー (ピート・アーロン)
イヴ・モンタン (ジャン・ピエール・サルティ)
三船敏郎 (ヤムラ)

       *        *        *

HONDAカラーはやっぱり白でしょう!

ジェイソン・バトンルーベンス・バリチェロがドライブしてたホンダRA107は、なにを勘違いしたかアースカラーだとかいって、地球をプリントしたようなカラーリングもってきた。やっぱりホンダは白でないといかんでしょう。

ホンダがF1に参戦したのは1964年のシーズンからである。当時のマシンはホンダRA271で、葉巻の上にコックピットをのせて、その風防のまえに赤い日の丸を配しただけのシンプルな白いマシンだった。『ルパン三世』の1話にF1レースが描かれているが、ちょうどあのころのレーシングカーだと思っていただければよいだろう。このシーズンの最後のレースでホンダは優勝してしまう。じつはタナボタ的な勝利であはあったが、F1デビュー11戦目で優勝してしまったことは特筆するべきことだっただろう。
右も左もわからないF1の世界に突然白いマシンで参加してきたアジアのチーム。欧米人も未知数な力の少なからず興味をもったのかもしれない。
その翌年に制作され、66年に公開されたのがこの『グラン・プリ』という映画。主人公のジェームズ・ガーナーが乗るマシンは、三船敏郎扮するヤムラという日本人オーナーのチーム。明らかにHONDAをイメージしていた。

映画の中では、イブ・モンタンの恋愛事情や、事故から復帰するジョーダンのドライバーの正統な頑張りなどが語られており、ほとんどこれはメロドラマである。しかしレースシーンはしっかり撮られており迫力充分。さすがフランケンハイマー。そしてサーキットの特徴でもあるベルギーのスパサーキットの変わり易い天候やら、けっこうレースのツボは押さえ込んでいる。
ただ・・・、映画が楽しめるレベルの物語ではない。チームの経済事情や、ドライバーの移籍事情など、もっとF1ビジネスのインフラを描いてくれると面白いものになったのに、全体的に大雑把な仕上がりになってしまった。ジョン・フランケンハイマー大好き人間の私だが、申し訳ないが、物語は「つまらなかった」と言わざるを得ない。
音楽は『アラビアのロレンス』モーリス・ジャール、あいかわらずうるさい(笑)。

グラン・プリ(1966) ☆☆_f0009381_1453119.jpgちなみに、この映画の最後でイブ・モンタンが死ぬイタリアGPのコースは、バンクのあるオーバルコースも使われている。ジョーダンチームがこのころからあるのは嬉しい。

<あらすじ>
そのシーズンの最初のF1はモナコGPだった。アグレッシブな走りをするブラバムのアメリカ人ドライバー・ピート(ジェームズ・ガーナー)は事故を起こし、地中海に投げ出された。優勝したのは赤いマシンにのるサルティ(イヴ・モンタン)だった。
この事故のためにシートを失い、さらにピートの妻も彼の元を去った。傷心の彼に救いの手をさしのべたのは、日本のマニファクチャ、ヤムラ(三船敏郎)だった。彼はピートのファイトを買い、日本チームへの参加を勧めた。ヤムラのおかげでピートはよみがえり、つぎつぎとレースに優勝していった。
そしてフォーミュラー・ワンの最後のレースであるモンツアのイタリアGPを迎えることになった。レースは白熱化し、異常な興奮をまき起こした。レースではサルティの車はオーバルコースを失踪するマシンがコントロールを失い、宙に待った。チェッカーを受けたのはピートの乗る白いマシンだった。

by ssm2438 | 2012-01-14 14:54 | J・フランケンハイマー(1930)


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