西澤 晋 の 映画日記

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2012年 02月 25日

TIME/タイム(2011) ☆☆

TIME/タイム(2011) ☆☆_f0009381_2204420.jpg原題:IN TIME

監督:アンドリュー・ニコル
脚本:アンドリュー・ニコル
撮影:ロジャー・ディーキンス
音楽:クレイグ・アームストロング

出演:
ジャスティン・ティンバーレイク (ウィル・サラス)
アマンダ・サイフリッド (シルビア・ワイス)
ヴィンセント・カーシーザー (シルビアの父フィリップ)
キリアン・マーフィ (時間警察:レイモンド・レオン)

     ×   ×   ×

それでもハイヒールを脱がないアマンダ・サイフリッド!

かなりチビなことにコンプレックスあるのでしょうか・・・。
この物語の中では、貧乏人しか走らないことになっているのだけど、彼女は主人公と同行するはめになってしまったばっかりに走ることを経験する。しかし、ハイヒールは意地で脱がない。

『ガタカ』『トゥルーマン・ショー』でスマッシュヒットをかましてくれたアンドリュー・ニコル。そのご没落の一途をたどっているのだけど、なかなかその没落はとまらないならしい。あんまり評判がよくないのでどうしたものかと思ったが、それでもアンドリュー・ニコルなので仕方がない、見るしかないだろう。
で、みた。

・・・・思ったより面白かった。

アンドリュー・ニコルなので、がちがちのSFになるはずがないし、そんなものをアンドリュー・ニコルに期待するほうがおかしい。彼はレトロフューチャーの領域であるテーマを語る人なので、このようなテイストになるのは予想できたし、特に前半部はみていて悪くはない。レイアウトもシンプルだし、照明もシンプルだし、一言で言ったら、ジャック・ベットリアーノ(Jack Vettriano)や、エドワード・ホッパー(Edward Hopper)の絵のような感じがすごいくいい。とにかくごちゃごちゃしすぎる最近のうざい画面が見飽きてる私にとってはこういう画面は大好きである。

特にやられたなと思ったのは、アマンダ嬢と主役の誰やれさんが海にはいっているところ。あの画面はいい。腕にはりついているト-カ光の緑色のライトが水面下にゆらゆらしている。あの画面だけで「やられたあああああ」と思ってしまった。

通貨が時間であるという物語の設定は面白いのだけど、この人の場合は、リアルな世界観は描けないひとなので、こんなものなのだろう。実はみているとそれほど新鮮さを感じなかった。というか、アンドリュー・ニコルに新しいものなど描けない。
これは、私が思うことなのだが、一般的に人々が「新しい」と感じるものとは、競争原理のもっとも先取りをしたところにあるような気がする。しかし、アンドリュー・ニコルの場合は、価値観がかなり旧いのである。ほとんどニュー・アメリカンシネマ時代の遺物といっていいだろう。権威に逆らい、正統な方法で裕福になることが出来ない人間達が銀行強盗をした映画がやたらと反乱した時代だった。『俺達に明日はない』、『明日に向かって撃て』、『華麗なる賭け』・・・など。
結局あの時代の精神は、正当に戦い抜くことのあきらめと、もてるものへの嫉妬心と、無責任の賛歌でしかない。これが顔をだすと、アンドリュー・ニコルの作品は気持ちよくないものになってしまう。。。

・・・しかし、風呂敷を広げただけで、まとめきれなかったところが数々あるシナリオだった。
ちがう人に一度読ませて問題点を明確にしてから今一度更正しなおすべきところがかなりあった。ひとりよがりシナリオというのはそれはそれでかなり魅力的ではあるのだが、これくらいいい加減になってしまうとちょっとうんざりである。

<あらすじ>
時間が通貨であり、裕福層は膨大な時間をもち、ワーキングプアーは明日の命も知れぬ中で生きている世界。ウィル・サラス(ジャスティン・ティンバーレイク)は、明日の命も分らぬ中で生きている労働者。仕事の帰りにある裕福層の男を救ったことから、彼の寿命をもらう。母の死がトリガーとなり、この社会に復讐することを誓ったウィルは裕福層が住む〇〇地区へと乗り込んでいく。
そこのカジノでフィリップ・ワイス相手に一儲けしたウィルは、彼の娘のシルビア(アマンダ・サイフリッド)と知り合う。いいムードになった2人だったが、不当に手に入れた時間だとして時間警察のレイモンド・レオン(キリアン・マーフィ)に時間を取り上げられてしまうウィル。シルビアを人質に逃げるウィルだが、強盗団に襲われてシルビアも時間をほとんど失ってしまう。
かくして、明日の時間を気にすることなく生きていたシルビアは、ウィルとともに、寿命に追われながら命をつないでいく。。。

by ssm2438 | 2012-02-25 02:22


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