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2012年 07月 08日
監督:森谷司郎脚本:山田信夫 撮影:仲沢半次郎 音楽:多賀英典 出演: 高倉健 (宮城啓介) 吉永小百合 (溝口薫) 米倉斉加年 (島憲兵曹長) 田村高廣 (神崎中佐) 志村喬 (宮城広介) 永島敏行 (溝口英雄) にしきのあきら (野上光晴) 桜田淳子 (高見葉子) × × × 吉永小百合が猛烈に可愛い。 この可憐さは驚異的です!!! ・・・といっても『キューポラのある街』の時のような、高校生的可愛さではないのです。大人の女の可愛さがに満ち溢れているのです。同じ森谷司郎の『海峡』をみたときは、ちょっと添え物的な扱いでいまひとつだったのですが、この吉永小百合は存在感ありあり、絶対無敵の可憐さです。彼女のしぐさ、息づかい、涙、全部に感動いたしました。素晴らしいの一言です! 本作は二・二六事件を題材にした映画ですが、この映画を見るまでことの背景を理解してませでした。こういうわけで事件が起きたのですね。ニュアンス的には「大塩平八郎の乱」が近いようなきがします。 天保7年(1836年)の天保の大飢饉により、各地で百姓一揆が多発し、大坂でも米不足が起こっていた。このような情勢の下、利を求めて更に米の買い占めを図っていた豪商に対して平八郎らの怒りも募り、武装蜂起に備えて家財を売却し、家族を離縁した上で、大砲などの火器や焙烙玉(爆薬)を整え、江戸幕府に対して反乱を起こした・・というもの。 この二・二六事件も、それとにたシチュエーションで起こったといえるでしょう。急激な富国強兵政策の中、政治家と財界人の癒着が激しくなり、一部の人間だけの私腹を肥やすなか、庶民の暮らしは苦しかった。本編の中でも、冒頭のエピソードは、借金の為に遊郭に売られる吉永小百合・・というところから始まり、大陸に送られた高倉健の連隊の負傷兵からは日本陸軍の弾が摘出されるというもの。軍上層部も腐敗し、朝鮮人に陸軍の物資を横流ししているというようなエピソードでそれが語られてます。 高倉健が演じる本作の主人公・宮城啓介は、二・二六事件に関与した皇道派の人物の一人安藤 輝三(あんどう てるぞう)をモデルにしたのでしょう。ウィキペディアによると、どうやらこの人物はかなりの人格者だったらしく、まさに健さんキャラのようです。 気になる撮影監督ですが、今回は付き合いの長い黒澤組の斎藤孝雄や木村大作ではなく、東映系の仲沢半次郎。もう少し引いて撮って欲しい部分はかずかずあれど、しかし、充分な質を提供してくれました。降旗康男の『冬の華』も実はこの人なのですが、望遠系が好きな監督さんの気持ちは判っている人だと感じました。 そう、今回のこの映画は、東宝系ではなく東映の映画なのです。 脚本の山田信夫は、山本薩夫の『不毛地帯』や『華麗なる一族』、『戦争と人間』など、重厚系のドラマを書ける人なので、この物語も充分存在感のある物語にしあがってます。『皇帝のいない八月』なんかもやっているようで、クーデーターものは意外と好きなのでしょうか?? <あらすじ> 昭和7年4月、仙台。宮城啓介(高倉健)が隊長をつとめる中隊の初年兵、溝口(永島敏行)が脱走した。溝口の家では生活が困窮し、遊郭に売られる姉の薫(吉永小百合)に一目会いたいという想いからだった。溝口は捜索隊の上司を殺してしまい、宮城が弁護に立つも、死刑が確定し銃殺される。無念の宮城は、せめて香るだけは助けたいと、父から千円(当時の価値だと200~300万はあったのだろう)を借り、薫に渡す。それが宮城と薫の出会いだった。 それから時がたち、宮城は大陸に赴任する。その殺伐のした軍隊生活の中、陸軍上層部が呼び寄せた慰安婦の中に薫がいた。あの千円で、遊郭に売られるのは避けられたが、その後死んだ父の借金のために結局こうなったという。無念の宮城は、薫を抱かずに立ち去るが、その後薫は悔しさのあまり自殺をはかる。 一方、連隊本部にもどった宮城は、地元業者が陸軍の物資を運び出そうとしている現場に遭遇、これを取り押さえるが、軍上層部の判断でその業者は放免される。そこでは朝鮮ゲリラへ軍需物資の横流しが平然と行なわれるほど腐敗し、戦場で敵が使っている銃弾は日本製だった。そのためで死んでいく兵士達の無念は計りがたいものだであり、本国にもどった宮城は軍上層部にモラルの浄化をもとめる嘆願書を書く。 昭和10年10月、東京。宮城は第一連隊に配属になり、薫と共に居をかまえた。しかし、二人の間にはまだ男と女の関係はなかった。官城の家には多くの青年将校が訪れ、昭和維新を熱っぽく語り合っていく。そんな彼等を憲兵隊の島謙太郎(米倉斉加年)が見張っている。 宮城は薫と伴に鳥取に向かった。恩師であり皇道派の長老格でもある神崎中佐(田村高廣)を訪れ、決意を語るためだった。神崎の家庭の幸せをまのあたりにみた薫は、その帰り、「私の体は汚れているから抱けないんですか」と痛々しく宮城につめよる。 数日後、軍務局長暗殺を神崎が単身で陸軍省におもむき果してしまった。この事件のために宮城は憲兵隊に連行され、取調べの最中に毒をもられる。返された宮城だが3日3晩静止の間をさまよい、薫が必死に看病した。決行の日が決まり、宮城は実家に帰り父(志村喬)に薫のことを頼むと、はじめて彼女を抱くのだった。 そして昭和11年2月26日、早朝。降り積もった雪の中を兵士達を乗せたトラックが軍寄宿舎を出て行く。 最後の味付けがまた素晴らしいんだ。 クーデターに失敗した宮城たちは裁判にかけられ、死刑が確定する。そして近親者による面会が許されることになるが・・・、薫には妻としての籍はなかった。入れてもらえない薫。 その後、役所に行き、宮城の父に同伴してもらい、婚姻届を提出し、妻としての籍を得る薫。 そして獄中で「私は、貴方の妻になりました」と報告する。 森谷司郎+山田信夫の組み合わせだと、どうしても社会性の強い実録的映画になるのかなっておもっていたのですが、メロドラマ性のほうがつよいですね。しかし、森谷司郎の見せ方は、どこかさらっとしてて、どろどろにならない清潔さ(悪く言えば「業の薄さ」)があります。私の中ではこれはコレコテのクーデターの映画でもなく、戦争の映画でもなく、ただひたすら吉永小百合の映画です。高倉健はいつもの高倉健なのですが、吉永小百合はぶっとんで素敵です。彼女の仕草が全部素敵。これは吉永小百合が作り出す、あの可憐な空気感を感じる映画なのです。それはもう『カリオストロの城』のクラリスなんかの比ではありません。はるかにこえて凌駕してます。 初めて高倉健に抱かれるときに目の涙が絶妙。すごいです、あのカットは。音楽とあいまって、強烈は感動カットになってしまった。 『天国の大罪』でぼろぼろだった吉永小百合ですが、あれはキャスティングミスでしょう。彼女の良さが輝くところにきちんと配置してあげれば、シリウスのように輝きます。 ベスト・オブ・吉永小百合はこの映画で決定でしょう!!!
by ssm2438
| 2012-07-08 03:17
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![]() 主観重視で映画の感想を書いてます。ネタバレまったく考慮してません。☆の数はあくまで私個人の好みでかなり偏ってます。エンタメ系はポイント低いです。☆☆=普通の出来だと思ってください。 by ssm2438 リンク
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