西澤 晋 の 映画日記

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2012年 09月 02日

君よ憤怒の河を渉れ(1976) ☆☆

君よ憤怒の河を渉れ(1976) ☆☆_f0009381_2205137.jpg監督:佐藤純弥
原作:西村寿行「君よ憤怒の河を渉れ」
脚本:田坂啓/佐藤純弥
撮影:小林節雄
音楽:青山八郎

出演:
高倉健 (杜丘冬人)
原田芳雄 (矢村警部)
中野良子 (遠波真由美)

     ×   ×   ×

☆二つ以上はあげられないけど、このテンションに同調できるならけっこう面白い。

真面目一辺倒だった東京地検の健さん検事が、どういう因果かわからないが無実の罪をきせられ、自分の無実を証明するために、捜査網をかいくぐりながら、最後の敵を倒すという話。
以前一度だけ、西村寿行の小説は読んだ事のがあるのだが、これがなかなか勢いのある小説だった。潔さとバイオレンスと意志力の強さと負われながら成し遂げる物語が、ご都合主義と意志力の絶妙のバランスで綴れ折にされており、なかなかぐいぐい読ませるのである。
この映画もその片鱗はたしかにある。
ただ・・・、かなりアホなBGMをつけてる。
それでも、カルト的に愛される要素はもっている映画である。

では、この映画の何処がそれほど肯定されるのかというと、西村寿行のもってる人間の意志力は描けてると思う。そしてそれを実行するのに、人間のできる範囲のことでやってるところは賞賛に値する。さらに、中野良子がけっこう良かった(笑)。と、いいところはそれだけなのだが、でも、この物語のコアな部分でこれだけ意志力をしっかり描けてる作品はそうないきがする。70年代の良い部分と、マヌケな部分とが見事にブレンドされた映画なのだ。おそらく、これって、今の時代に、ハリウッドとかがこれをリメイクしたらそれなりに面白い作品になると思う。それが出来るだけの基本要素はあるのだ。ただ・・・、そのほかの部分でかなり「なんじゃこりゃあああああああ」度が強い作品で、ま、その部分を語りだすと尽きないという、かなりの珍作である。

<あらすじ>
東京地検検事・杜丘冬人(高倉健)は、身に覚えのない容疑で逮捕されるが、無実を証明するために逃走する。杜丘は、彼を罠にかけた女を捜しあてるが、既に彼女は殺されていた。頼みの綱は、偽証をしたもう一人の男・横路敬二である。彼を探し出して真相を素人試みる杜夫かに警察の手が伸びる。
杜丘は、横路敬二が北海道の様似に居ることを知り、北海道に飛んだ。そこで偶然熊におそわれかけた真由美という娘(中野良子)を助ける。彼女の父・遠波善紀は北海道知事選に立候補中だったので、一人娘が杜丘に好意をよせているのに困惑するが、杜丘に自家製セスナを与え逃亡の手助けをする。
東京に戻った杜丘は横路が何者かに強制収容されている事実をつきとめる。真由美の助けも在り、精神病院に患者を偽って潜入し横路と接触を企てるが、横道は新薬を投与されすでに廃人になっていた。
その病院では、代議士の長岡了介(西村晃)が院長・堂塔に命じて、精神を崩壊させる新薬を開発させていたのである。杜丘が陥れられたのは、その事実に触れかけたからだった。
しかし杜丘も強制的にその新薬を処方され、精神崩壊にいたった・・・。
が、実はそれはそういう芝居をしてただけで、本とは飲まされた薬をそのつど、喉の奥に指をつっこみ強制てきに嘔吐してはいていたのである。
長岡の悪事をあばいた杜丘は、矢村警部(原田芳雄)とともに彼の事務所にのりこみ、最後は長岡を矢村とともに射殺するのだった。

かなり偶然に支配されている映画なのだが、物語の展開がある意味現実的であり、ジョン・フランケンハイマーあたりに取り直してもらうとかなり面白い映画になったんじゃないだろうか・・・。
捨てがたい奇奇怪怪な映画である。

by ssm2438 | 2012-09-02 02:21


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