2008年 12月 19日
![]() 脚本:デヴィッド・クラス 撮影:アーロン・シュナイダー 音楽:マーク・アイシャム 出演:モーガン・フリーマン アシュレイ・ジャッド * * * ワイラーの『コレクター』は蝶を集める男が、自分を理解して欲しいが為に一人の女を監禁した話。こっちの『コレクター』(原題キス・ザ・ガールズ)は女を集める男がエッチしたいがために女を集めた話。お話としてはあまりに一般的な話なのでそこは知れてるのだが、ひとつだけポイントあり! コレクター心理として「これはこんなに集めてるんだよ」ってのを誰かとシェアできると嬉しい!という心理。このお話では、捜査の方向性を惑わすひとつのトリックとして、同じ趣味をもつ二人の犯人という要素をいれこんでいるのがちょっと目新しい。 確かに喜びというのは一人では喜べない。誰もいないトラックで100メートルの選手が自動計測の時計で世界記録をだしても嬉しいけど誰かとそれをシェアできならいなら、むなしいだけ。これが世界記録でなくてもオリンピックで1位になれば、世界中の人とそれをシェアできる。喜びというものはシェアなくしては実感できないもの。 その昔東芝日曜劇場の『お嫁に行きます』ってドラマを見たとき、矢崎滋のこんな台詞があったの思い出した。 「一人でさめざめと泣くことは出来ます。 僕、そういうのけっこう得意なんです。 でも、大声でははははははと笑うことは・・・」 <あらすじ> ノースカロライナのダーラムでは、8人女性が行方不明になっており、その内の2人は残酷に殺害されていた。被害者はすべて十代後半から二十代前半の地域の大学生。ワシントンDC警察の犯罪心理学の専門家アレックス・クロス(モーガン・フリーマン)は現地に飛ぶ。クロスがダーラムに到着した時、3人目の犠牲者が山中で死体で発見された。丁度誘拐されて行方不明になっていた女性の一人が殺害されて発見され、クロスはダーラム警察の捜査官であるラスキンとサイクスと共に現場へ向かう。 美人で才能豊かなインターン、ケイト・マクティアナン(アシュレイ・ジャッド)が自宅から誘拐され洞窟のような場所に連れて行かれる。同じ洞窟の別の部屋に、多くの女性が囚われていてその中にはクロスの姪のナオミもいた。しかしケイトハは犯人のすきをつき逃走し、河に落ち奇跡的に生還した クロスはケイトに注射されていたシストールという薬品の大量購入者を突き止める。彼はダーラムの大学を卒業したウィリアム・ルドルフというカリフォルニアの形成外科医だった。ルドルフを捕捉するため、クロスはケイトを伴ってロスへと向かう。ルドルフの秘密の手術部屋には、もう一人の犯人と思われる記事が張られていた。クロスは「ルドルフともう一人の犯人は、協力し合い、競い合っている」と推理する。 このあとドラマは、ノースカロライナ女性たちの監禁場所が発見され、そこに来ていたルドルフも捕り物劇の最中に射殺される。しかしケイトを監禁した犯人はとりのがしてしまう。やがて犯人の正体をつかんだクロスはケイトに危険が迫っていることを察知し彼女の自宅に向かうが、すでに犯人はそこに到着してた・・。 きわめて普通な話でした。アシュレイ・ジャッドがみられたからいいや・・って感じでしょうか。 ▲
by ssm2438
| 2008-12-19 10:54
2008年 12月 16日
![]() 脚本:ロバート・リスキン 撮影:ジョセフ・ウォーカー 音楽:ディミトリ・ティオムキン 出演:ジェームズ・スチュワート エドワード・アーノルド ジーン・アーサー ライオネル・バリモア * * * フランク・キャプラの中ではもっとも嫌いな映画。 アカデミー賞いっぱい取ってるがそれはそれ、人の価値観。私の価値観的にはかなりダメ。 基本的に公共事業をやろうかというときに、ある土地が必要になるが、そこを立ち退かないってスタンスはどうにも嫌いなのだ。子供の頃は自分が住んだうちがなくなるなんてなんという悲劇だって思ってたけど、孟子だか孔子だかの母親の言葉だったかな・・「三回は引越しをしなさい」・・・だそうな。 私はこれ、すごっく大事だと思うんだ。生まれた土地にずっと土着したひとでエライ人になった人はいない。なにをもって「エライ」というかはいろいろ定義がありそうだけど、人生には未来の為に思い出を裏切ってでも進まなければいけない時がある。そのときの為に、ある程度過去を捨てる痛みになれておくことは絶対必要。 <あらすじ> 軍需工場を運営する冷酷な実業家カービーは、工業用地の買収に乗り出すが、風変わりなヴァンダーホフ老人の一家が立ち退こうとせず計画は思い通りに進まないでいた。一家の娘アリスと付き合っているカービーの一人息子で副社長のトニーは、父親の命令で説得に行くが、逆に一家の自由な生き方に感銘して影響を受けてしまう。事態を憂慮したカービーは、自ら一家を訪れるが、逆に感化されて人生の何たるかを知ることになる・・・・だそうだが・・・・。 ・・・・ほんとにこれでいいのだろうか??? ▲
by ssm2438
| 2008-12-16 22:45
| フランク・キャプラ(1897)
2008年 12月 15日
![]() 脚本:ジョン・ミリアス フランシス・フォード・コッポラ 撮影:ヴィットリオ・ストラーロ 音楽:カーマイン・コッポラ フランシス・フォード・コッポラ 出演:マーロン・ブランド マーティン・シーン デニス・ホッパー ロバート・デュヴァル * * * <映画>じゃなくて、<映画と撮ってる>ところを撮った映画にみえてしまうことがこの映画の最大のネック。前半はまだいいが後半にいくにしたがってどうでもよくなる・・(苦笑)。きちんと登場人物に感情移入できないまま、いろんなシーンをみせられるので理解が散漫になる。おかで仰々しい画面だけを二時間半みせつづけられることに・・。映画としてはちっとも面白くない。 フランシス・フォード・コッポラとスタンリー・キューブリックと黒澤明に共通していえることなのだが、そのシーンそのシーンの演出には踏み込んでガツンな画面をつくるのが、トータルなまとめ方が実に超下手。なので面白い映画はほとんどない。物語を楽しみたい人にとってはつまらないだけの監督さんです。こだわりの映像参考映画と理解しておくのがよいのでは・・。 ドラマの始まりは、ウィラード大尉(マーティン・シーン)がジャングル奥地に自分の王国を築いたカーツ大佐(マーロン・ブランド)の暗殺を命じられる・・というもの。このコンセプトがいまいち理解しづらい。簡単に言ってしまえば、日本を占領したのちマッカーサーが在日の陸軍大使として日本を統治していたのだが、彼がクーデターをおこして日本を自分の国にし自らの理想の国を作ったら、アメリカ政府がマッカーサーの暗殺を命じたって話・・といえば分り易いかも。その東南アジア版。 ▲
by ssm2438
| 2008-12-15 12:43
2008年 12月 14日
![]() 脚本:ブルーノ・ニュイッテン マリリン・ゴールディン 撮影:ピエール・ロム 音楽:ガブリエル・ヤーレ 出演:イザベル・アジャーニ ジェラール・ドパルデュー マドレーヌ・ロバンソン * * * おもったよりかなり良かった。私がロダンファンだからか、有名な彫刻がいっぱいでてきて、それをつくってる風景をカメラがスケッチしてくれるだけで、かなり幸せな気分になれた。映画として演出的にもきわめてスタンダードだしとりとめてどうのこうのという映画でもないのだけど、このロダンとカミーユの物語を映像化してくれたということが私にとってはとても価値あるものになった。 実はカミーユの彫刻に関して言えば、個人的にはそれほど燃えない。どっかつきぬけてないといか・・・、魂ではらわたで造形してないというか、頭で造形している感じ。同じひとつの概念を形にしたとしても、カミーユの形は三島由紀夫的で、ロダンのかたちはイングマル・べルイマン的・・はは。そんな感じがする。そうはいってもカミーユの彫刻は形が正確であるなとは思う。 しかしなにより、男って、好きな女に自分をみとめさせたい願望があるもので、ロダンにおってその対象になってたのはカミール・クローデルだったのだろう。物質的に幸せとは縁遠いかったかもしれないが、ロダンのなかで一番の女であったことは素晴らしいことだと思うが・・、当の本人は実物が得られないのなら意味がなかったのかも・・。男と女の解釈の完全にちがうところだろうな。 ちなみにカミーユってロダンの愛人として描かれていたが、そのあとは音楽家のドビューシーとつきあったきかんもある。 ![]() 1864年、エーヌ県ヴェルヌーヴにて父ルイ=プロスペル・クローデルと母ルイーズの間に生まれる。三人兄弟の長女。弟はポール。妹ルイーズには母と同じ名前が与えられた。子供の頃から彫刻に親しみ、卓越した技術と才能を発揮していく。そしてまた類まれなる美貌をも持っていた。19歳の時に彫刻家オーギュスト・ロダンの女弟子となる。時にロダン42歳。二人は次第に愛し合うようになるが、ロダンには内妻ローズがいたため三角関係となる。その関係はその後15年に渡って続いていく。 ロダンは二人の女性のどちらかを選ぶことはできなかった。というのも妻は大きな心の安らぎの存在であり、カミーユは若さと美貌と才能に満ち溢れた刺激的な存在であった。また創作に活力の源を与えるいわばミューズのような存在であった。その中で20代後半にはロダンの子を妊娠・中絶、多大なショックを受ける。ついにはうまくいかず破綻をむかえ、ロダンは妻のもとへ帰っていく。徐々に精神が蝕まれ、不幸にも40代後半には発狂する。恋愛の挫折と芸術家としての挫折が重なりあった結果である。 19世紀社会は女性の芸術家を評価せず、困窮し不幸な道のりを歩んだ。女性芸術家としての成功は叶わなかった。1913年3月10日、48歳の時家族によってパリ郊外のヴィル・エヴラール精神病院に入れられた。また、後に第一次世界大戦の影響で南仏のモントヴェルク精神病院に移動させられ、そこが臨終の地になった。母は娘の芸術に理解を示さなかったため、二人の間には生涯確執が消えることはなく、母と妹は精神病院に見舞いに行くことは一度もなかった。弟ポールが数年に一度見舞うのみであった。しかし弟も結婚をし、任地の上海へ向かった後は姉と会う回数が激減した。晩年は毎朝決まって病院構内の礼拝堂に向かい祈った。誰とも口を聞こうとせず、一人自己の世界に閉じこもった。また、ロダンへの憎しみと周囲の患者を見下すことでかろうじて自己の精神の孤高を保った。見すぼらしい身なりで痩せこけ精彩を欠いたその姿に弟は愕然とした。1943年、家族に看取られることなく亡くなった。享年80歳。終生願ったのは故郷ヴェルヌーヴに帰ることであったが、叶うことはなかった。 ▲
by ssm2438
| 2008-12-14 23:02
2008年 12月 14日
![]() 脚本:ノア・バームバック 撮影:ロバート・イェーマン 音楽:ブリッタ・フィリップス ディーン・ウェアハム 出演:ジェフ・ダニエルズ ローラ・リニー ジェシー・アイゼンバーグ オーウェン・クライン * * * アカデミー脚本賞にノミネートされてると知って見に行った映画。・・・・つまらなかった。 ・・・・が、分らんでもない。 私が子供の頃(今もだけど)、ぜんざいが嫌いで嫌いでたまらなかった。あの小豆が嫌いなのだ。保育園~幼稚園とぜんざいが給食に出ようものならその日はブルーだった。気持ち悪くてたべられない。あの気持ち悪い食感のものを我慢しながらのどの奥にながしこまないといけないのだ。確かにあれは子供のころ大嫌いだった。でも、今でも好きではないが食べることは出来る。 いつのころから食べられるようになったかというと・・たぶん小学生の高学年くらいだっただろう。ただ、あのころはまだ、「自分はこれを嫌いなんだ」って思っていたし、子供の頃からそうだったし、いつのまにかそれができるようになると自分のアイデンティティが崩壊するようで、自尊心がそれを許さなかったのだと思う。あのころは「ぜんざいが嫌いなボク」というのがひとつの自分の殻だったのだから。しょうもないことだったけど、確かにそうだった。それを壊したくなかった自分がいた。だjから小学生の高学年になって、嫌いだけど食べられないことはなくなっていたぜんざいを、やはり以前にように食べられないことにしていた自分がいた。 人は、自分が嫌いなこととか、出来ないこととかを、自分のアイデンティティにするものなのだ。でも、いつしかそれはもう嫌いじゃなくなったり、出来るようになってたりしている。 もちろんそれをずっと続ける人もいるだろうが、そうでない人もいる。あるとき「あ、もうそんな振りしないでもよくなってるんだ」って自分自身に気付く時がある。 この映画は・・最後で「ああ、自分はもう母親を嫌いな振りしなくてもいいんだ」ってことに気付いたのだろう。 この映画は、そんなみずみずしい感性の映画。これはやっぱり普通の人にはなかなか分らない気付かないつぼだ。ただ、シナリオなどの勉強をしてる人で、きちんと自分の心と向き合えるなら、このくらいは理解できるはず。自分の感性をたしかめるための映画・・かな? なにも感じないようではやっぱりライターとしては向かないだろう。 ▲
by ssm2438
| 2008-12-14 22:11
2008年 12月 11日
![]() 脚本:ブレイク・エドワーズ 撮影:フランク・スタンリー 音楽:ヘンリー・マンシーニ 出演:ダドリー・ムーア ボー・デレク ジュリー・アンドリュース * * * 男の憧れにはよくあることである。その人を散々自分のなかで美化して勝手に自分で自分のなかの理想の女に恋をする。そしてきっと彼女こそがその理想の女性だと自己暗示にかかる。・・・ま、男の恋愛のよくあるパターンですな。 ある日交差点で信号待ちしている時、ダドリー・ムーアは隣の車の中に彼の常々理想としている女性を見いだした。その女性(ボー・デレク)はウェディング・ベールをつけ、そのふし目がちな横顔、これこそ10点満点の女だと確信する。 そのあとは彼女と知り合うためにさまざまな努力を続けるが、たまたまなイベントがあって彼女とベットインするかな・・とも思えるシチュエーションまでにいたる。が、話してみると彼女はまるでシャローは小娘、フリーセックス志向で、誰とでもエッチをするヒッピー娘。一気に理想が崩れる。・・・そんな話。 本編からではないが、とりあえずボー・デレクの美しい写真だけ一発いれとこう。 ![]() ▲
by ssm2438
| 2008-12-11 23:34
2008年 12月 11日
![]() 原作:スティーヴン・キング 脚本:フランク・ダラボン 撮影:ロン・シュミット 編集:ハンター・M・ヴィア 出演:トーマス・ジェーン マーシャ・ゲイ・ハーデン ローリー・ホールデン * * * しかし・・・無情なエンディングだな。ほんと後味わるい。後味わるいので☆ひとつさげちゃう(上げるのもあればさげるのもある)。 ドラマの展開上「なんでそうなったん??」ていう疑問がありますが、まあ、それは言ってはいけないところなんでしょうね。そのむかしブライアン・デ・パルマの『キャリー』の最後がやたらとびっくり!って時代がありました。すべてのオカルトイベントが終わって安心して、美しい画面なんか、穏やかな音楽が流れ生き残った主人公の友達がキャリーのお墓に花をいって花を置いたらが墓の下からどわああって手がでてくる。ぎゃああああああって驚いたら病院のベットの上だったってオチ。『危険な情事』のアレックスもそうでしたね。死んだかとおおったら生きてたって(死後硬直?)パターンはやたらと多かったけど、最近はそれだとちょっとインパクトもない。なにか新しいインパクトはないかって考えてるとこうなったのでは・・って思う。 たぶん作ってる側はそれほど深刻に考えてないのだろうと思う。最近のプロデュース先行のつくりだと、作り手の作家性や意見よりもとりあえず話題性を優先するようにできてしまっているので。営業はさておき、お話を作る側としてはどうしても、生き方として「どうせ死ぬなら前のめりに」って方向を美学としたいから、それを肯定したいものだけど・・・。 なので、このラストをみたときは、えええええええっ!!!???って思ったけど、時間が経つとどうも、前に進むスピリットよりも<話題づくり優先>的な制作スタンスが感じられるようになりなんかいやだなあ。 なので最近は実に評価の仕方がむずかしいのです。 監督以下、作ってるスタッフはがんばっていいものを作ろうってしてるけど、制作サイドはなんか、ただウケだけをねらってる・・みたいな思想がその中に入り込んできてて、作ってる人たち以外のところで作品が台無しになるケースがやたらとおおいような。。 そこにいくまではしっかりとしたドラマになってた。基本的には<絶望状態での人間の本性浮き上がらせモノ>で事の起こりおおざっぱ。軍が異界との扉をひらいたら怪しい昆虫のお化けがいっぱいこっちの世界にはいてきた・・みたいな、どうでもいいような起源。それも映像でみせるわけでもなく、軍隊にいた人が言葉でしゃべるだけの実にとってつけたような物語の起源。 しかしそのなかでは、絶望的シチュエーションのなかで、どう生きるのかをひとそれぞれが考えて生きている。不安になりたくないことが第一の人。非現実に陶酔することで恐怖から逃れてる人。うさんくさい霊媒師がやたらと幅をきかせるように勢力拡大していく様はかなり人間のおろかさを見せ付けてるし、この物語のきっかけを作ったらしい何人かの軍人のひとは魔女狩りみたいにぼこにされていくし・・、それも人間の業のひとつなのでしょう。 そんななかで現実を直視し、わずかな可能性にかけていく人たちが主人公たちってことになってます。 それをあんな終わり方にするかなあって思うとなんか・・はらだたしい気がする。 ▲
by ssm2438
| 2008-12-11 11:24
2008年 12月 11日
![]() 脚本:ハル・カンター ハリー・テュージェンド 撮影:ロバート・ブロンナー 音楽:ウォルター・シャーフ 出演:グレン・フォード ベティ・デイヴィス ホープ・ラング ピーター・フォーク アン=マーグレット * * * キャプラの映画で面白くない映画があるはずがない!って思ってたら・・・・、これだけは大間違い。全然おもしろくない。なんでこんなに面白くないのかいまだになぞだ。 このストーリーはキャプラ自身も以前『一日だけの淑女』(1933)として映画化しているし、ジャッキー・チェンも『ミラクル/奇蹟』(1989)としてつくっている。けっしてつまらなくなるわけがない話なのだけど・・・、この映画はとにかくみててわくわくしない。キャプラの名前で買って、あとぜ残念におもわないよう・・。 禁酒法令が解かれた1930年のニューヨーク。酒の密売からキャバレーの経営者となったデュード(グレン・フォード)は、自分がのし上がれたのは、リンゴ売りのアニー婆さん(ベティ・デイヴィス)から買うリンゴのおかげだと信じていた。そのアニーにはルイーズという娘があり、幼時からスペインの尼僧学校に預けていた。その娘がスペイン一の名家の息子カルロスと恋におち、結婚の許しを得にロメロ親子と共にくると言うのだ。娘を喜ばせるために貴婦人であると偽っていたアニーは悲嘆にくれていた。気っぷのいいデュードはにわか仕立てながらアニーは磨き上げられて貴婦人に仕立て上げるのだが・・・ ▲
by ssm2438
| 2008-12-11 08:32
| フランク・キャプラ(1897)
2008年 12月 10日
![]() 脚本:ニコラス・メイヤー スティーヴ・ヘイズ 撮影:ポール・ローマン 音楽:ミクロス・ローザ 出演:マルコム・マクダウェル デヴィッド・ワーナー メアリー・スティーンバージェン * * * 1980年のアヴォリアッツでグランプリと黄金のアンテナ賞をとった作品。当時アヴォリアッツでグランプリとるってことは庶民の間では激しく楽しくうけいれられた作品ということを意味していた。他の映画祭では映画評論家が由緒ある映画を選ぶっという感じがあったが、このアヴォリアッツではもっと若い感覚できちんと楽しめるファンタジック映画を選んでいた。受賞作品には『ターミネーター』や『マッドマックス2』などがあり、その時代のB級映画(こういっては失礼だろうが)の頂点を選ぶのが特徴だった。この映画祭が終了してしまったのは悲しいことだ。 そしてこの映画、びっくりすることにマルコム・マクダウェルが<善いもの>役で出ている。そして最後まで<善いもの>でとおしている。信じられん。彼やアンソニー・パーキンス、ケビン・ベーコンは、出てきたらそれだけで怪しいって思ってしまうのに・・(苦笑)。そしてこの映画をきっかけに彼と結婚したメアリー・スティーンバージェン。めずらしく私の好きな女優さんである。あのぽわあわあわあ~~~~んとした感じがとていい。 主人公はSF小説『タイム・マシン』を発表する以前のH・G・ウェルズ(マルコム・マクダウェル)。彼は、未来の社会は社会主義のユートピアが実現すると信じていた。一方その時代のロンデンでは切り裂きジャックが夜の街を恐怖に陥れていた。そしてまた一人、霧の夜に犠牲者が出た。ものものしい雰囲気の中警察が付近の家々を調査してまわっている。H・G・ウェルズは彼の友人らと座談会を開いていたが、外科医のジョン・スチーブンソン(デイヴィッド・ワーナー)は遅れてやってきた。全員がそろったところで、ウェルズはみんなを地下室へ案内し彼が発明したタイムマシンを見せる。そうしていると玄関を叩く音。警察が巡回にきた。室内をひととおり見て回るが不振な人物は見当たらない。彼らは引き上げていくが・・、ふと気付くと外科医のスチーブンソンとタイムマシンがなくなっている。犯罪史上最も有名な猟奇連続殺人犯“切り裂きジャック”が時をこえ逃亡したのだ。幸いタイムマシンはもと来た場所にもどってくる仕掛けになっていた。責任を感じたウェルズはジャックを追って“未来”へ行くが、そこは“現代”のサンフランシスコだった。 19世紀からきたウェルズにしてみれば見るものすべてが新鮮。社会主義だと思っていた未来の世界はばりばりの資本主義。銀行へ行きもってきた現金は大した額にはならなかったが、人当たりのいい銀行員エミイ(メアリー・スティーバーゲン)に出会うことになる。貴金属はそこそこの値段で売れた。そしてスチーブンソンを探し出す。「ロンドンでの俺は重犯罪者だったが、ここではチンピラだ。みろ、毎日毎日殺人のニュースばっかりだ」とテレビや新聞をみせるスチーブンソン。 その後いろいろあるのだが、最後はなんだかなあ・・・犯人に屈服して終わるってのが実に後味がよくない。結果的には彼を時の彼方に葬るのだが、そのまえの展開はちょっといただけないかな。そうはいってもトー辰で見れば実に楽しいタイムスリップものだった。 ▲
by ssm2438
| 2008-12-10 08:49
2008年 12月 09日
![]() 原作:イアン・フレミング 脚本:リチャード・メイボーム、ジョアンナ・ハーウッド 撮影:テッド・ムーア 音楽:ジョン・バリー 主題歌:マット・モンロー 出演:ショーン・コネリー、ダニエラ・ビアンキ * * * 犯罪組織スペクターは、トルコ在住のソ連の大使館員ダニエラ・ビアンキにソ連の暗号解読器を盗ませ、ソ連からの逃亡者にしたてあげ、ボンドや他のイギリスの諜報員をおびき寄せ殺す計画をたてる。さらにその暗号解読器をまたソ連に売れば一儲けもできる。ボンドは数々の危機をのりこえ、ダニエラ・ビアンキを救出、暗号解読器も手に入れる。 世間ではこれをもって「一番面白い」とする向きもあるようだが、しっとり系の好きな私でもそれほどいいとは思えない。派手は秘密兵器などほとんど出てこない、地味すぎるほどの冒険アクションスパイ映画。 オリエント急行がでてくる展開はとてもロマンチックでいい。だが逃げ場のない、しかも行き先の決まっているレールの上での展開は作り手の技術力がとわれることになるのだが、そこのところをもう少し上手にサスペンスできなかったものかなと思う。派手に作ろうとすると『カサンドラクロス』のように細菌兵器ものにするとか、『テロリストゲーム』みたいに核爆弾つんでる列車にするとかの手もある・・。だいたい物語の動機がスペクターの個人的な恨み(先の作戦でボンドにしてやられた)であり、イベントの規模が小さすぎるのもちょっと問題か・・。その後のドンパチもヘリコプターからの狙撃と照明弾だやられるボートなのでいまいち迫力不足。 シリーズのなかではもっともパーソナルな話としてつくれた素材だけに、とことんジェイソン・ボーンシリーズのような逃亡するなかでの孤立感とよりそいたい二人の心情なんかがもっとだせれば・・と思うと残念だ。 ▲
by ssm2438
| 2008-12-09 07:55
|
アバウト
![]() 主観重視で映画の感想を書いてます。ネタバレまったく考慮してません。☆の数はあくまで私個人の好みでかなり偏ってます。エンタメ系はポイント低いです。☆☆=普通の出来だと思ってください。 by ssm2438 リンク
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