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2008年 11月 04日
監督:イングマール・ベルイマン脚本:イングマール・ベルイマン 撮影:スヴェン・ニクヴィスト 音楽:ダニエル・ベル 出演: バッティル・ギューヴェ (アレクサンデル・エクダール) ペルニラ・アルヴィーン (ファニー・エグダール) エヴァ・フレーリング (エミリー・エグダール) ヤン・マルムシェー (ヴェルゲルス主教) * * * 人には決して勧めないが、イングマル・ベルイマンの集大成の映画だろう。集大成すぎて、ストーリーとしての求心力がないことだが・・、これは目をつぶろう。 しかし、それぞれのシーンの完成度は恐ろしいまで高く、なにもかもが濃縮還元ベルイマン・ジュースとして作りこまれている。演出もエピソードの、登場人物のキャラクターも、どこをとってもベルイマンのエッセンスにあふれている。「ベルイマンとはこんなもんだ」・・という彼の性格や思いや、語りたいものや、彼自身の人生経験や・・そんなもの総てがもっともコンパクトに集約されてた映画だといっていいだろう。 5時間と言うとてつもない時間の映画だがその長さをまったく感じさせない映画だった。間にインターミッションはあったが、見せ方がすごいのだろう、目が離せないというか・・、見る人の脳みそに確実に飽きさせない何かを画面のなかに練りこんだ演出なのだろう。感情移入と期待、陶酔‥、そういうものが無意識のうちにつづれ折られており、それがつねに見ている人の感性を刺激しているのだと思う。その極意が何なのか、死ぬまでには見極めたいものだ。 ベルイマン映画のコアともいうべきリブ・ウルマンが出てないのは淋しかったが、それでも彼女が出てないことがベルイマン過ぎずに良かったと思える。もしあの母親役をウルマンがやっていたら親近感がありすぎていやらしいものになっていたような気がする。エヴァ・フレーリングの母親役はこの映画にとって絶対不可欠な要素だったのではないだろうか。夫を亡くした葬儀のときは平然としている未亡人を演じていた彼女が、よるになり誰もいなくなった棺を「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお、ううああああああああああああああああ」と嗚咽のような叫び声を下ながら行ったりきたりする映像は今でも心にやきついている。この映画のなかでいいシーンはいっぱいあるが、あそこが一番好きだ。 1983年のアカデミー外国語映画賞やセザール外国映画賞を初め、この年の外国映画賞や 撮影賞のほとんどこの映画がもっていった。 <あらすじ>スウェーデンの地方都市ウプサ。大邸宅の一室でただ一人、人形芝居に興じる少年アレクサンデル・エクダール(バッティル・ギューヴェ)。物語に憧れる彼は、ベルイマン自身を投影しているのだろう。その父オスカル・エクダール(アラン・エドヴァル)のはとてもおおらかでやさしい人柄であり、俳優でもあり劇場主でもあった。この父親はベルイマンのそれとはまったく正反対のものだった。 二月上演の『ハムレット』を劇場でリハーサルしていたオスカルは、過労のため突然倒れ、死んでしまう。ヴェルゲルス主教(ヤン・マルムシェー)の手で盛大に葬儀が行なわれた。それから1年、アレクサンデルは、母エミリー(エヴァ・フレーリング)がヴェルゲルス主教と再婚することきかされる。妹ファニー(ペルニラ・アルヴィーン)と共にエクダールの家を去り、主教館に移るアレクサンデル。エミリーと子供たちは、この主教館をつつむ暗い空気に驚く。さらに華美に生活することを恐れる主教は、彼女たちに質素な生活と精神生活を強いた。ヴェルゲルス主教こそがベルイマンの父親のイメージなのだろう。宗教の教えをかさにきて強圧的に総てを圧迫支配する人物像。それは総てのベルイマン作品に登場する、ベルイマンが戦うべき相手なのだ。 翌年、別荘でくつろぐ親族のもとにエミリーが訪れ、結婚は失敗だった、離婚したいが夫が許さないと、苦悩を訴えた。アレクサンデルとファニーは屋根裏部屋にとじ込められ、エミリーの世俗社会への復帰を許さない人質となっていた。親族の協力を得て、子供たちは脱出させるエミリー。ここはもうサスペンス映画モードになっていた。子供たちに去られ、離婚をほのめかされた主教はエミリーに心情を吐露する。理性に生きた男があふれだす感情をコントロールできなくなっている。彼女は主教の飲物に睡眠薬を入れ、彼は眠りに陥った。その頃、叔母の部屋のランプが倒れ、館は火に包まれた。主教も焼死する。 #
by ssm2438
| 2008-11-04 05:00
| I ・ベルイマン(1918)
2008年 11月 03日
監督:降旗康男原作:浅田次郎 脚本:岩間芳樹、降旗康男 撮影:木村大作 音楽:国吉良一 出演: 高倉健 (駅長・佐藤乙松) 大竹しのぶ (佐藤の妻・静枝) 広末涼子 (駅を訪れた少女・雪子) * * * 原作も直木賞、映画も日本アカデミー賞を数々の部門でとったこの映画なれど・・・、私はいただけなかったなあ。なんだか狙いすぎの感もあり、全然感動できなかった。 一番の問題は、この健さんのキャラに賛同出来るかどうかだったと思う。私は・・・ダメだった。過去のスタイルにこだわりすぎて新しいものに挑めないというのは、私の価値観ではNG。たしかに国鉄時代のその職業はある種のステイタスがあった。当時は親子代々国鉄って人も多く、国鉄で働く人は、みんな国鉄を愛していた。誇りがあった。『海峡』で描かれた国鉄の男たちは、日本中に鉄道を敷くことに誇りをもって生きていた。それは分るのだけど、だからこそ、想い入れあるものを捨てられるだけの勇気もほしかった。それを捨てるべきものとして描いたらどれだけ納得できたことか・・・。 しかしそれでも、木村大作の撮る雪景色バックの健さんはいい。 そして木村大作が撮る汽車の望遠はやっぱり心が躍る! <あらすじ> 以前は炭鉱の町としてにぎわった北海道の幌舞線の終着駅幌舞。の駅長・佐藤乙松(高倉健)は、鉄道員(ぽっぽや)一筋に人生を送ってきた男だ。幼い一人娘を亡くした日も、愛する妻(大竹しのぶ)を亡くした日も、彼はずっと駅に立ち続けてきた。だが、その幌舞線も今度の春で廃線になることが決まっていた。 そんな佐藤の前に、ひとりの幼女が現れる。正月の帰省で都会からやってきた子供らしい。その少女に死んだ一人娘・雪子の面影を重ねていた。その夜、昼間の少女が忘れていった人形を取りに来たと言って中学生の姉が駅舎を訪れた。佐藤は彼女をやさしくもてなすが、、彼女もまた人形を忘れて帰ってしまう。翌日、またしてもふたりの少女の姉と名乗る高校生(広末涼子)がやってきた。17歳の彼女は鉄道が好きらしく、佐藤の話を聞いたりして楽しい時間を過ごした。だが、実は彼女は17年前に死んだ乙松の子供・雪子だったのである。彼女は、自分が成長する姿を父親に見せるために現れてくれたのだ。 翌朝、すっかり冷たくなった佐藤の亡骸が、幌舞駅のホームで発見された。国鉄と共に生きた男の一生であった。 #
by ssm2438
| 2008-11-03 23:36
| 木村大作(1939)
2008年 11月 03日
監督:澤井信一郎脚本:宮崎晃、伊藤亮爾、澤井信一郎 撮影:木村大作 音楽:佐藤勝 出演: 風間トオル (滝廉太郎) 鷲尾いさ子 (中野ユキ) * * * 『月光の夏』では、特攻隊院がピアノを弾きたくて出撃の前日、何キロも離れたピアノのある中学校(小学校だったかも)まで走っていってピアノを弾いて特攻に行ったって話だった。こちらの滝廉太郎は、結核にかかり死ぬ間際にどうしてもピアノが引きたくて・・でもそれが無いので近くの小学校のオルガンを弾かせてもらう・・。誰もいない教室で、黄色い光線をあびながら弾くオルガンが切なくてよかった。。。 ヒロインの鉄骨娘鷲尾いさ子も、憧れの対象に十分なりえる見栄えのよさ。そんなに好きなタイプではないのだけど、この鷲尾いさ子は良かったなあ。 そしてそれを画面にするのが崇拝する木村大作! おお、キャプテン! マイ、キャプテン! <あらすじ> 明治28年、生来の身体の弱かった滝廉太郎(風間トオル)は東京音楽学校を休学して療養のため故郷の大分県竹田に呼び戻された。そんな彼の世話をする女中が芙美(藤谷美紀)。彼女は廉太郎に思いを寄せるが、その気持は伝えられない。復学した廉太郎はその才能を開花させていく。そんな廉太郎に中野ユキ(鷲尾いさ子)も惹かれるが、自分の才能に自信を失ってもいく。 しかし第2回留学生には彼女が選ばれた。遅れて明治34年、廉太郎もドイツ留学を果たすが、彼は自分の実力の乏しさを思い知らされる。先に留学していたユキもまたベルリンで才能に行き詰まりを感じ始めていた。だがドイツという異郷で再会した二人はお互いに協力しベートーベンの『熱情』の譜面へと向かっていく。胸の病が再発した廉太郎は、「君のためにピアノ曲を書くよ」と言い残し日本に戻る。帰国した廉太郎は病と戦いながらユキに捧げるピアノ曲『憾うらみ』を書きあげる。その曲をひとり小学校のオルガンで弾く廉太郎。無情にも23歳10ヶ月という若さで、彼は世を去るのだった。 #
by ssm2438
| 2008-11-03 23:08
| 木村大作(1939)
2008年 11月 03日
監督:フィル・ジョアノー脚本:ウェズリー・ストリック 撮影:ジョーダン・クローネンウェス 音楽:ジョージ・フェントン 出演: リチャード・ギア キム・ベイシンガー ユマ・サーマン エリック・ロバーツ * * * リチャード・ギア/キム・ベイシンガー/ユマ・サーマンのエロティック・サスペンス。キム・ベイシンガーが、憎んでいる旦那を殺し、さらに旦那にかけられた保険金を手に入れるために、妹ユマ・サーマンと結託、精神科医のリチャード・ギアを巧みにり利用して裁判で無罪を勝ち取る話。出ているキャストは贅沢なので、キム・ベイシンガーもいつものように濡れ場を演じてくれているので観てソンをした感じはしないが、話の持っていき方はヒッチコック風なのでつまらない。サスペンスって、ヒッチコックみたいに、犯罪のトリックだけを提示していくような映画だとみたあとになにものこらないので面白くもなんともない。松本清張のように、もっと犯罪を犯してしまう人のどうしようもなさとか、でもそこに愛があるせつなさとか・・、そういうものを塗りこんでほしいものだ・・・。 <あらすじ> サンフランシスコの精神分析医アイザック・バー(リチャード・ギア)は、若い女性患者ダイアナ・ベイラー(ユマ・サーマン)の病状を分析するために、彼女の過去をしる姉のヘザー・エヴァンズ(キム・ベイシンガー)に逢う。しかしヘザーの美しさに魅了され、ベットをともしにしてしまう。へザーの夫ジミー(エリック・ロバーツ)はマフィアのボスであり、へザーに対してつねに支配的な態度をとっていた。外出先から帰ったキム・ベイシンガーを近くによびよせ、自分のまえにひざまずかせるシーンは実に妖艶だ。そんな屈辱的な日々がつづいていいたのだろう、ある日へザーはついに、筋トレ用のダンベルでジミーを殴り倒してしまう。 ヘザーは夫殺しで逮捕されたが、犯行時の記憶がないという。アイザックは裁判で友人の弁護士と共闘してヘザーの無罪を勝ち取り、ヘザーは病院での精神治療が義務づけられた。しかし、数日後夫ジミーには多額の保険金がかけられており、アイザックは全てがヘザーの仕組んだ罠だったことを知る。保険金殺人の共犯者にさせられてたことが分ったアイザックはヘザーを病院に閉じ込めることにするが、ヘザーはダイアナを身代わりにして病院を脱出、隠し持ったアイザックの指紋が付いた犯行時の凶器をタテに、身の潔白を主張しようとするが、嵐の中、灯台に追いつめられたヘザーは、アイザックの前で落下して死亡してしまう。 #
by ssm2438
| 2008-11-03 08:31
2008年 11月 03日
監督:キャロル・リード製作:キャロル・リード、デヴィッド・O・セルズニック 原作:グレアム・グリーン 脚本:グレアム・グリーン 撮影:ロバート・クラスカー 音楽:アントン・カラス 出演:ジョセフ・コットン、オーソン・ウェルズ、アリダ・ヴァリ * * * この映画、お話は普通のサスペンスです。その点に関しては特に特筆すべきところはないのですが、見せ方が渋い。面白い。ウィーンの夜の街をてらす光と影の演出が実にすばらしい。1950年のアカデミー撮影賞受賞です。ロバート・クラスカー、ここにあり! 私も『ゴルゴ13』の41話でこれを楽しんでみたのですが、作っても、観ても、こうい絵作りは楽しい。 画面的なことをいうと、キャロル・リード+ロバート・クラスカーのコンビでここで成されたことはそれ以前の『邪魔者は殺せ』ですでに実践されている。たぶんこの映画をみたデヴィッド・O・セルズニックが「ちょっとリードさんアンドクラスカーさん、うちも金だすからあれやってよ」ってって出来たのがこの『第三の男』だと思う。 画面的には確かにこちらの『第三の男』のほうが、さらにわざとらしくなっていいるのだけど、お話は『邪魔者は殺せ』のほうが個人的には好きだな。こっちはIRA内部の勢力争いの映画なのでなんかリアル・・。 <あらすじ> 戦後のウィーンは、米英仏ソの四ヶ国による四分割統治下にあった。米国作家ホリイ・マーティンス(ジョゼフ・コットン)は、旧友ハリー・ライムに呼ばれて、この街にやって来たが、ハリーは自動車事故で死亡し、まさにその葬式が行われていた。マーティンスは墓場で英国のMPキャロウェー少佐(トレヴァー・ハワード)から「ハリーが闇屋だった」と聞かされる。ハリーと恋仲だった女優のアンナ(アリダ・ヴァリ)知り合い、一目ぼれした、マーティンスはハリーの死の真相を探ろうと決意する。 調べていくうちに、ハリーの死を目撃した男が三人いることをつきとめた。そのうち二人はようやく判ったが、第三の男だけはどうしても判明しない。しかし、その第三の男こそ、ハリー・ライム(オーソン・ウェルズ)自身だった。彼は死んではなかったのだ。 #
by ssm2438
| 2008-11-03 03:19
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![]() 主観重視で映画の感想を書いてます。ネタバレまったく考慮してません。☆の数はあくまで私個人の好みでかなり偏ってます。エンタメ系はポイント低いです。☆☆=普通の出来だと思ってください。 by ssm2438 リンク
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